先月4月29日に明治はじめまで使われていた関山峠峰渡りの道を歩きました。
その折、木々の間から現在の関山トンネルの上から県境を北に高まりながら延びる大きな尾根が見渡せました。
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関山峰渡りから今回歩いた稜線を望む |
是非、あの尾根を歩きたい、どこかで山行企画してないかと探していたのです。
結果、仙台欅山岳会が企画した山行に参加できたので、その記録のメモを記します。
ところで、今回歩く寒風山は過去の記録からすると読み方は、➀さむかぜやま ➁かんぷうざんとあって本当の読みは良く分からないのが実態です。
寒風山と呼ばれる山は全国に5座あるそうで、東北人が思いつくのは秋田男鹿半島の山です。
仙台市にある寒風山は有名ではなく、登山誌にも「登山者に忘れられた宮城・山形県境尾根の山」と紹介され、仙台・山形市街からも近いのかかわらず意識され難い山となっています。
その理由を種々考えてみると、山の形にあると思われます。登山誌にも書かれているとおり、尾根の途中のいくつかの峰の一つですし、三角形の山を愛す多くの人々には意識されなかったと思われます。
そして、宮城県側からは古道関山峠峰渡りからは少し見えますが、印象としては現在のトンネンルの上の尾根から間倉山西のピークまでの美しい稜線でそのうえのアオノ背、寒風山そして白鬚山へのピークは存在感が其れ程でないのかも知れません。
筆者がこの山に興味を持ったのは20年程前で、古い登山誌に自衛隊の反射板が設置されており何とか歩ける山として掲載されていたのです、それで、初冬、蛇のでない時期に歩いてみたのですが、踏み跡が途中でなくなり中止した記憶がありました。
今回は、14人のパーティで、仙台欅山岳会の吉田代表が予備調査をされており、安心して歩くことができました。
ただ、予定のコースは寒風山から白鬚山、粟畑を経由して柳沢小屋付近まで歩く企画で、魅力的な歩きができると思っていたのです。残念ながら、事前の調査で、尾根に残された雪の状態が悪く、変更したたことでした。
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国道48号線関山トンネルの宮城県側からスタート |
歩き始めは関山トンネルの宮城県側、風倉沢上流部のの堰堤脇からです。
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見晴らし台への途中から登り口方面 |
ミズナラ、ミネカエデなどの林の中を歩きましたがつづらの登りで其れ程、急坂ではありません。ただ、法に刻まれている道は、不安定ですので慎重に歩きます。尾根に出る前の斜面では落下したばかりの雪庇が見られます。ここも慎重に通過します。
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見晴らし台 |
見晴し台は関山トンネル直上から200m程東北にありますが、見晴らしは良くないと思います。ここから気持ちの良いブナ林を歩きます。
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関山峰渡り途中のイワウチワ |
ただ、気づくのは先月末に歩いた関山峠峰渡り途中で見られたイワウチワは見られず、終わりかけのカタクリとキクザキイチゲが中心となっていました。
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寒風山への道端で見られるカタクリとイチゲ |
距離にして1kmほどですが植生は大きく異なっていました。
間もなく間倉山西のピークの西側(山形県側)になると低木の雑木林となります。昔ブナが伐採され笹原となったところが復元しつつあるようです。この付近からは南にまだ雪が多く残る面白山、その奥に大東岳、蔵王の屏風岳まで見れます。
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中央左が面白山、その左奥が大東山 |
955mのピークコブの背には、風雪に耐えたブナが見られます。
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風雪に耐えているブナ |
ここからは稜線に雪が残り、夏道と雪の上と歩く事になります。
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稜線上の雪庇跡を歩く |
北東の方には東から後白鬚山、三峰、蛇ヶ岳、船形、楠峰、仙台カゴそして寒風山や白鬚山等が見られます。
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手前の戸立山の奥に船形山系の山々が確認できる |
午後からは崩れる天気予報でしたが、展望は申し分ない状況でした。
寒風山頂上は、雪の下で標識や三角点の確認はできない状態で、夏道の近くに咲くキクザキイチゲは白そして青がなんとも言えない可憐な花でした。