2014年3月30日日曜日

秋保の里を見守る「羽山さん(433m) 
 仙台市太白区秋保温泉」を歩く

 
長袋五山から名取川を挟み大きく見える羽山
大倉山は二口街道
(県道62) の南・秋保温泉の西に聳える目立つ山です。先月歩いた長袋五山のやけ山からも秋保温泉側が鋭く立ち上がり緩やかに流れる片富士の形の大きな独立峰が見られました。
 大倉山は地元では羽山とか大日向山(おおひなたやま)と呼ばれ里の近くの住民から親しまれた山のようです。昔、山の中腹に光善院という修験寺もあって霊山とされています。周囲の部落は平家落人伝説もありロマンに満ちた地でもあるようです。
 この山の地質は羽山グリーンタフ(羽山緑色凝灰岩)とその風化物からなるとされ、この山に点在する岩を見ると確認できます。植生はブナ&イヌブナなどが多い様です。

 今回歩いたコースは北麓の羽山地区から山頂の羽山神社への参道を登り、西側の国久(くにきゅう)へ山頂のテレビ中継局の管理道を降りる経路です。

 登り口は羽山別当修験寺歴代法印の碑などがあると言われる所です。具体には、民家の間に羽山権現参道の立看板がある所が入口です。
民家の間に標識看板がある

少し進むと、右手の奥に古びた石鳥居が見られ、その前は畑となっています。垣根に副って歩き、鳥居をくぐると杉林を縫って進む道になる。この辺でよく見られる、イノシシ除けの防護策は設置されておりません。
ここから羽山神社への参道がはじまる

参道に種々の標識がある

 辺りが雑木林に変わる頃から急坂が始まります。しかし、ペースはさほど早くはなく、適当に休憩取られているので、前回歩いた時のように息が上がる事はありません。
急坂を登る

 そして積雪があることにより歩き易く感じられます。雪があるので、確認できないのですが、ここは参道であるが石畳も見られないし、階段もよく分かりません。普通の登山道の形に思えます。
頂上近くの大岩が参道近くにも見られます
 巨岩が現れる。御幣束が立てられる大岩のたもとで一息つきますが、大岩はその後も斜面に現れます。参道に副って木々の枝に赤ではないのですが布テープが整備されています。約300m1時間登ってテレビ中継所のある頂上に着きますが、その前に羽山神社があり、
頂上の羽山神社

少し西側の頂上には二等三角点が設置されていました。残念ながら「大岩の神壺」を見逃してしまいました。
山頂の標識


 少し休んで、雪の林道を国久に向かっており始めますが、雪が降り続き視界は悪い状態でした。途中、細野原への道が分岐します。
 
細野原への分岐場所
 昼食は送電鉄塔の下で、寒い中短時間ですませました。その後は、ひたすら国久をめざし道路を下りました。 
 

 暫くして、楯山と大倉山の間の道路に出て、名仙台市長の岡崎栄松氏の晩年隠棲の地となった岡崎牧場の前を通過し、名取川を渡り457号線まで長い歩きでした。

天気 はじめは雨、雪に変わる。300m付近から靄がかかる
参加者 40名程度
参考コースタイム: 9:50羽山登山口(標高123 m)→10:25休憩(標高275 m)→休憩(343 m)→11:01頂上 11:13→ 11:37送電鉄塔下(317 m)昼食12:01→ 12:38本砂金川の橋上(139 m)→13:05長袋 国道457号


2014年3月5日水曜日

雪の豊富な北泉ヶ岳へのアプローチと雪庇を降りる訓練

開催期日 2014.02.25
天気 午前:晴れ
   午後:曇りから雪
講習会参加者:20名程
     仙台欅山岳会メンバー3名同行
行程:スプリングバレー泉高原スキー場→リフト(標高900m)→

三叉路→北泉ヶ岳→大倉尾根→東尾根→林道→スプリングバレー泉高原スキー場

当日の行程について簡単な説明と紹介後、クリッパーエクスプレスリフトに乗車し、標高900mまで楽に移動しました。その後ルートファインディングのための地図と磁石についてレビュー、集合場所を三叉路(泉ヶ岳・北泉ヶ岳・水神を結ぶ道の交叉点)とし各自それぞれ歩きだしました。
西に方向設定、樺の木が見られ、広い雪原がスタート地

磁石ではほぼ西に向かいます、この付近には白樺、岳樺が見られます。
スキー場方向振り返る右手は泉ヶ岳

しばらく進むと沢を渡る状況になりますが、ここで、主催者からコメントがありました。できるだけ起伏の少ないコースを選定する事が肝要で、安全と体力の消耗を少なくできるとの事です。コース選定はその沢に副って上流へ選定して良いのではと発言したところ、吉田先生からは沢の上部は枝分かれしている。予め地図でどの沢から尾根に移動するか決めておく必要があると指導がありました。なるほど。
主催者の三浦さんから説明

 約1Km進んだ後、主催者からコメントがあって「尾根に上がる箇所については」雪崩の危険もあることから、ガイドするのでついてくるようにとのこと、残念でしたが仕方がない。あきらめました。
 さて、気になっていたのですが、スノーシューを装着した参加者が早く歩いていました。ワカンを履いた我々は遅れ気味です。その要因は、体力差なのか、ワカンとスノーシューの性能の差か、或は地形的な要因か、誰か教えて頂きたいものです。
 標高960m付近から泉ヶ岳から三叉路(標高1030m)に続く道へ約20分位急坂です。そしてそこから三叉路までが遠い気がしました。
三叉路付近(ブナが立派だ)

三叉路は雪の中に埋もれているようでした。少し早く着いたので、1110mの丘の下で後続の参加メンバーを待って15分程休憩しました。4月になると虫が煩くなる場所ですが、その折は静かでした。
 そこから林間を歩いて約30分で北泉ヶ岳到着です。

頂上付近からはスキーで滑降する方がおられましたが、それなりのレベルのようです。林の木々が傷まないようにと思わず祈ってしまいました。
北泉ヶ岳頂上から北の展望

 北泉ヶ岳に着くと冷たい西風が吹いています。
ブロックを積み風よけを作る

スコップをもったメンバーが休憩様の風よけを作りますが、全員は収容できないので、我々はツエルトで風よけして、40分もかけて昼食をとりました。休む前に一枚羽織ったのですが、すっかり冷えてしまいました。
その間に天気は崩れ大倉尾根を歩く頃は風雪となりました。その風雪の中を500m程すすみ、尾根雪庇と下側の斜面が近接する場所で、主催者が雪庇をカットして降りるルートづくりを展示するとの事で、待機しました。
立ち木に支点確保をする三浦さん

確保支点として尾根の立ち木を利用し、スリングとカラビナでセット、そこからロープでビレイをしながらスコップで雪庇を除き、ルートを作りました。
ロープでビレイしながらスコップで雪庇をカットする
雪庇をカットして下の棚におりるルートができた

その後、参加者はロープを両足間と肩にかける往時に訓練した懸垂下降でそのルートをおり、その下は尻制動で緩斜面まで滑りました。

ロープを用いた降下訓練
快適な滑り

その後は北泉ヶ岳東にのびる通称東尾根を下って林道に出ました。
東尾根に辿り着く 後ろは北泉ヶ岳

長く感ずる林道でしたが、
長い林道を

歩く途中で庄内地方では「雪俵(ゆきだわら)」と呼び、山陰では「雪まくり」が見られました。
雪のロール 自然は不思議だ


雪のロールが斜面からいくつも転がっている

これは古い固くなった雪の上に、0度前後の気温で湿った雪が降り積もったあと、強風が吹くと、雪が海苔巻き状になって転がるとされます。当日の条件はピッタリ適合しておりました。
 
スプリングバレー泉高原スキー場に戻る
コースタイム:9:47リフト乗り場(大凡の標高668 m)→9:53リフト降車(887 m)→10:14歩き始め(894 m)→10:51火口底部から尾根への登り口→
11:12泉ヶ岳・三叉路間の尾根(1031 m)→11:24三叉路11:34 12:11北泉ヶ岳頂上(1259 m12:50 13:07雪中訓練場所(雪庇部からの下降) 13:4714:26東尾根取り付き→14:56林道着→15:37スキー場

 GPSの記録
仙台欅山岳会の安全登山講習会で歩いたコース